キャリアアップ助成金7コース徹底比較|金額・難易度・おすすめ企業タイプ別に解説【2026年版】
「キャリアアップ助成金には7つのコースがあるけど、どれを選べばいいの?」
この疑問をお持ちの経営者・人事担当者のために、全7コースを金額・難易度・おすすめ企業タイプなど7つの観点から徹底比較しました。
- 各コースの目的と金額の違い
- 申請難易度と必要な準備
- 自社に最適なコースの選び方
- 複数コースの併用パターン
結論を先に: 正社員化なら「正社員化コース」、パート・契約社員の待遇改善なら「賃金規定等共通化コース」「賞与・退職金制度導入コース」、106万円の壁対策なら「社会保険適用時処遇改善コース」がおすすめです。
【早見表】キャリアアップ助成金7コース比較一覧
まずは全体像を把握しましょう。
| コース名 | 最大金額 | 対象の取組 | 難易度 | 期限 |
|---|---|---|---|---|
| 正社員化コース | 80万円/人 | 有期→正規転換 | ★★☆(中) | なし |
| 障害者正社員化コース | 120万円/人 | 障害者の正社員化 | ★★☆(中) | なし |
| 賃金規定等共通化コース | 60万円(一括) | 正規・非正規共通の賃金規定 | ★★☆(中) | なし |
| 賞与・退職金制度導入コース | 56.8万円 | 両制度の新設 | ★★☆(中) | なし |
| 社会保険適用時処遇改善コース | 50万円/人 | 106万円の壁対策 | ★★☆(中) | 2026年3月末 |
| 短時間労働者労働時間延長支援コース | 23.7万円/人 | 労働時間延長で社保適用 | ★☆☆(易〜中) | なし |
| 賃金規定等改定コース | 6.5万円/人 | 3%以上の賃上げ | ★☆☆(易) | なし |
ポイント: 「社会保険適用時処遇改善コース」は2026年3月末で申請終了。該当する従業員がいる場合は早急に検討を。
比較①: 各コースの目的・概要
正社員化コース(最人気)
パート・契約社員などの有期雇用労働者を正社員に転換した場合に支給される、キャリアアップ助成金の中で最も利用されているコースです。
一言で言うと: 非正規を正社員にすると国からお祝い金がもらえる制度
詳しく知りたい方: 正社員化コースの基本と申請手順
障害者正社員化コース
障害のある有期雇用労働者を正社員または無期雇用に転換した場合に支給されます。重度障害者の場合は最大120万円と7コース中最高額です。
一言で言うと: 障害者雇用を正社員化で安定させると手厚い支援が受けられる制度
賃金規定等共通化コース
正社員と非正規社員に共通の賃金規定を作成・適用することで支給されます。同一労働同一賃金への対応にも役立ちます。
一言で言うと: 正社員とパートに同じ給与ルールを適用すると支給される制度
賞与・退職金制度導入コース
非正規社員に賞与制度または退職金制度(あるいは両方)を新設した場合に支給されます。
一言で言うと: パートにもボーナスや退職金を出す仕組みを作ると支給される制度
社会保険適用時処遇改善コース【期限あり】
いわゆる「106万円の壁」対策として、社会保険に新たに加入した短時間労働者の手取り減少を補う取組に支給されます。
一言で言うと: パートが社保加入しても手取りが減らないよう配慮すると支給される制度
注意: 申請期限は2026年3月末です。
詳しく知りたい方: 社会保険適用時処遇改善コース完全ガイド
短時間労働者労働時間延長支援コース
短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に支給されます。
一言で言うと: パートの労働時間を延ばして社保に入れると支給される制度
賃金規定等改定コース
非正規社員の賃金規定を3%以上引き上げた場合に支給されます。最低賃金の引き上げへの対応にも活用できます。
一言で言うと: パートの時給を3%以上アップすると支給される制度
比較②: 受給額の詳細
金額比較表
| コース | 基本額(中小企業) | 最大額 | 支給単位 |
|---|---|---|---|
| 正社員化コース | 80万円 | 80万円 | 1人あたり |
| 障害者正社員化コース | 90万円 | 120万円(重度) | 1人あたり |
| 賃金規定等共通化コース | 60万円 | 60万円 | 1事業所あたり(一括) |
| 賞与・退職金制度導入コース | 40万円 | 56.8万円 | 1事業所あたり |
| 社会保険適用時処遇改善コース | 50万円 | 50万円 | 1人あたり |
| 短時間労働者労働時間延長支援コース | 23.7万円 | 23.7万円 | 1人あたり |
| 賃金規定等改定コース | 5万円〜 | 6.5万円 | 1人あたり |
人数で稼げるコース vs 一括支給コース
| タイプ | コース | 特徴 |
|---|---|---|
| 人数型 | 正社員化、障害者正社員化、社保適用時処遇改善、労働時間延長、賃金改定 | 対象者が多いほど総額UP |
| 一括型 | 賃金規定等共通化、賞与・退職金制度導入 | 人数に関係なく定額支給 |
ポイント: 正社員化コースは年間20人まで申請可能。10人転換すれば最大800万円の受給も可能です。
比較③: 対象者・要件の違い
各コースの対象者比較
| コース | 対象となる従業員 | 雇用期間要件 |
|---|---|---|
| 正社員化コース | 有期雇用労働者 | 6ヶ月以上 |
| 障害者正社員化コース | 障害のある有期雇用労働者 | 6ヶ月以上 |
| 賃金規定等共通化コース | 有期雇用労働者全員 | 制限なし |
| 賞与・退職金制度導入コース | 有期雇用労働者全員 | 制限なし |
| 社会保険適用時処遇改善コース | 新たに社保加入した短時間労働者 | 制限なし |
| 労働時間延長支援コース | 短時間労働者 | 制限なし |
| 賃金規定等改定コース | 有期雇用労働者 | 制限なし |
共通の事業主要件
すべてのコースに共通する要件:
- 雇用保険適用事業所である
- キャリアアップ計画書を事前に提出している
- 過去3年以内に不正受給がない
- 労働関係法令を遵守している
比較④: 申請難易度と準備事項
難易度ランキング
| 順位 | コース | 難易度 | 主な準備事項 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 賃金規定等改定コース | ★☆☆ | 賃金規定の改定、3%以上の賃上げ |
| 2位 | 労働時間延長支援コース | ★☆☆〜★★☆ | 労働契約の変更、社保加入手続き |
| 3位 | 社会保険適用時処遇改善コース | ★★☆ | 社保加入、手取り補填の取組 |
| 4位 | 正社員化コース | ★★☆ | 就業規則整備、転換制度の規定 |
| 5位 | 障害者正社員化コース | ★★☆ | 正社員化コースと同様 |
| 6位 | 賞与・退職金制度導入コース | ★★☆ | 就業規則への制度規定、実際の支給 |
| 7位 | 賃金規定等共通化コース | ★★☆ | 詳細な賃金テーブルの作成 |
必須書類の量
| コース | 必要書類数(目安) |
|---|---|
| 正社員化コース | 約10種類 |
| 障害者正社員化コース | 約12種類 |
| 賃金規定等共通化コース | 約10種類 |
| 賞与・退職金制度導入コース | 約10種類 |
| 社会保険適用時処遇改善コース | 約8種類 |
| 労働時間延長支援コース | 約8種類 |
| 賃金規定等改定コース | 約8種類 |
ポイント: どのコースも「キャリアアップ計画書」の事前提出が必須。取組を始める前に労働局へ提出しておきましょう。
申請準備の詳細: キャリアアップ助成金申請前チェックリスト
比較⑤: メリット・デメリット対比
正社員化コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 金額が大きい(最大80万円) | 正社員化で人件費が増加 |
| 申請実績が多く情報が豊富 | 6ヶ月の有期雇用期間が必要 |
| 年間20人まで申請可能 | 転換後6ヶ月の継続雇用が必要 |
障害者正社員化コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 7コース中最高額(最大120万円) | 対象が障害者に限定 |
| 法定雇用率の達成にも貢献 | 障害者手帳の確認が必要 |
賃金規定等共通化コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 人数に関係なく60万円 | 詳細な賃金テーブルの作成が必要 |
| 同一労働同一賃金対応と一石二鳥 | 1事業所1回限り |
賞与・退職金制度導入コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 制度導入で従業員満足度UP | 継続的な費用負担が発生 |
| 両制度で最大56.8万円 | 実際に賞与・退職金を支給する必要あり |
社会保険適用時処遇改善コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 106万円の壁対策として有効 | 2026年3月末で終了 |
| 従業員の手取り減少を補える | 手当等の支給が必要 |
短時間労働者労働時間延長支援コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 申請が比較的シンプル | 金額は23.7万円と控えめ |
| 労働力確保と社保適用を同時達成 | 労働時間延長に本人同意が必要 |
賃金規定等改定コース
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 最も申請しやすい | 金額は6.5万円と少額 |
| 賃上げ対応と一石二鳥 | 継続的な人件費増 |
比較⑥: 併用の可否
同一従業員への複数コース適用
| 組み合わせ | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 正社員化 → 賃金改定 | ○ | 転換後に賃上げすれば併用可 |
| 正社員化 + 社保適用時処遇改善 | △ | 同一取組は不可 |
| 賃金規定共通化 + 賞与・退職金導入 | ○ | 異なる取組なので併用可 |
| 労働時間延長 + 賃金改定 | ○ | 異なる取組なので併用可 |
賢い併用パターン
パターン1: 正社員化 + 賃金改定
1. パートを正社員に転換 → 正社員化コース(80万円)
2. 転換後に賃金3%アップ → 賃金規定等改定コース(6.5万円)
3. 合計: 86.5万円
パターン2: 制度整備パック
1. 正規・非正規共通の賃金規定を作成 → 賃金規定等共通化コース(60万円)
2. 賞与・退職金制度を導入 → 賞与・退職金制度導入コース(56.8万円)
3. 合計: 116.8万円
比較⑦: こんな会社におすすめ
各コースのおすすめ企業タイプ
| コース | おすすめの企業 |
|---|---|
| 正社員化コース | パート・契約社員を戦力化したい企業、人材定着に課題がある企業 |
| 障害者正社員化コース | 障害者雇用を積極的に行っている企業、法定雇用率達成を目指す企業 |
| 賃金規定等共通化コース | 同一労働同一賃金対応を進めたい企業、給与体系を整理したい企業 |
| 賞与・退職金制度導入コース | パートの待遇改善で定着率を上げたい企業 |
| 社会保険適用時処遇改善コース | 短時間パートが多い小売・飲食・介護業界 |
| 労働時間延長支援コース | パートの労働時間を増やしたい企業、人手不足の企業 |
| 賃金規定等改定コース | 最低賃金対応と併せて申請したい企業 |
業種別おすすめコース
| 業種 | おすすめコース |
|---|---|
| 飲食・小売 | 正社員化コース、社会保険適用時処遇改善コース |
| 製造業 | 正社員化コース、障害者正社員化コース |
| 介護・福祉 | 正社員化コース、賃金規定等改定コース |
| IT・サービス | 正社員化コース、賃金規定等共通化コース |
【診断チャート】あなたに最適なコースは?
Q1: パート・契約社員を正社員にする予定は?
- はい → Q2へ
- いいえ → Q3へ
Q2: その従業員は障害者手帳をお持ちですか?
- はい → 障害者正社員化コースがおすすめ(最大120万円)
- いいえ → 正社員化コースがおすすめ(最大80万円)
Q3: 短時間パートが社会保険に加入する予定は?
- はい → Q4へ
- いいえ → Q5へ
Q4: 社保加入時の手取り減少を補填できますか?
- はい → 社会保険適用時処遇改善コースがおすすめ(※2026年3月末まで)
- いいえ → 労働時間延長支援コースがおすすめ
Q5: パートの待遇改善を検討していますか?
- 賃金アップ → 賃金規定等改定コースがおすすめ
- 賞与・退職金 → 賞与・退職金制度導入コースがおすすめ
- 給与体系の統一 → 賃金規定等共通化コースがおすすめ
よくある質問
Q. 複数のコースを同時に申請できますか?
A. はい、異なる取組であれば同時申請可能です。ただし、同一の取組に対する二重申請はできません。
Q. キャリアアップ計画書は何回も提出が必要?
A. いいえ、1つの計画書で複数コースに対応できます。計画期間は3〜5年で設定し、期間内であれば追加コースの申請も可能です。
Q. どのコースが一番人気ですか?
A. 正社員化コースが圧倒的に人気です。金額の大きさと申請のしやすさが理由です。
よくある質問の詳細: キャリアアップ助成金FAQ30選
まとめ: コース選びの基準
| 目的 | おすすめコース | 金額 |
|---|---|---|
| 正社員化したい | 正社員化コース | 80万円/人 |
| 障害者を正社員化したい | 障害者正社員化コース | 最大120万円/人 |
| 給与体系を統一したい | 賃金規定等共通化コース | 60万円 |
| 賞与・退職金を導入したい | 賞与・退職金制度導入コース | 最大56.8万円 |
| 106万円の壁対策 | 社会保険適用時処遇改善コース | 50万円/人 |
| パートの時間を増やしたい | 労働時間延長支援コース | 23.7万円/人 |
| 賃上げしたい | 賃金規定等改定コース | 6.5万円/人 |
迷ったら
まずは正社員化コースの検討から始めることをおすすめします。金額が大きく、最も実績のあるコースです。
自社の状況に合ったコースがわからない場合は、管轄の都道府県労働局に相談しましょう。
次のステップ
今すぐできる3つのアクション:
1. 自社の非正規社員の状況を確認する
2. 該当するコースをピックアップする
3. キャリアアップ計画書の準備を始める
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参考リンク:
*この記事は2026年1月時点の情報に基づいています。最新情報は厚生労働省の公式サイトをご確認ください。*